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WARAKU EDITOR'S DIARY

第二弾 河鍋暁斎ゆかりの『西洋料理通』を味わう会に行ってきました!

さてさて、第二弾は魚料理から始まります。

「第二十五等 フライドフラウントルス」。
「牛舌魚(ヒラメ)」のフライです。

豚の背脂を煮溶かしてつくったラードで揚げてあるそうで、
衣はサクサクしていて脂っぽくなく、
ヒラメはほっくりふんわりの極上のテクスチャー。
シンプルなのにインパクトは絶大です。

パセリが添えられているのは『西洋料理通』の指示通りで、
日本の洋食といえばパセリがつきものとなったルーツは
なんと『西洋料理通』のころからなのだそうです。

付け合わせのほうれん草も曰くつきで、
当時の味わいに近いという山形県産の伝統野菜「あかね」を使用。
茎の部分を付けたまま出すのも『西洋料理通』のまんま。
赤い茎の部分のほのかな甘さが、往時へと思いを馳せさてくれました。

肉料理は「第六十四等 ハツシユトドツク」。
本来は家鴨(アヒル)ですが、手に入らないため合鴨(アイガモ)が使われています。

ソースは赤ねぎを炒めてポートワインと「第一等汁種」で煮詰めたもの。
ほのかな甘さとコクがあって、合鴨がまろやかに仕上がっていました。

ちなみに、「第六十四等」など「等」と記されているのは、
等級を表しているのではなく、何番目ということ。

新宿中村屋の二宮シェフは『西洋料理通』のメニューの組み合わせてコースをつくり、
当時と変わらない食材を探し、最低3回は試作を繰り返しているのだとか。

現代風なアレンジはほとんどないということで、
味覚は変わらないのに、食材の変化の大きいことに驚かされました。

続いて登場したのが「第三十四等 ケルリードフヒシユ」。
「フヒシユ」は「フィッシュ」のことで、
だいたい想像がつくでしょうが、フィッシュカレーです。

このカレーには「白目米」という銘柄の米が使われています。
白目米は江戸時代、最も美味な米として将軍家に上納されていたものですが、
第二次世界大戦後は栽培されなくなった幻の米。
それを、新宿中村屋がインドカリーの発売から70周年となる1996年に復活!
さらりとした炊き上がりは、カレーにぴったり!!
新宿中村屋のこだわりにまたまた圧倒されたという次第です。

ここで『西洋料理通』はひと休み。
現在の新宿中村屋のカリーが登場しました。

軍鶏(シャモ)を使用したスパイシーなカリーはさすが新宿中村屋。
明治のカリーと比べると違いは歴然!

150年の時を経て、こんなに変わっていたのですね。

一見するとカリーの続きのようですが、
これは「第百九等 キァラッ ヲテルバテトスポッデング」。

呪文のようなメニュー名は横の和文から察するに、
「キャロットと何かのプディング」って感じでしょうか。

二宮さんのご説明によると「ニンジンとサツマイモのプディング」で、
シェリー酒をたっぷり加えて甘みと深みを足しているのだとか。
なるほど、野菜の甘みをコクが引き立てる大人のデザートです。

続いて「カウヒイ」とルビがふられた「珈琲」で、
思いがけない発見に満ちていた『西洋料理通』のコースは完結。

さまざまな条件の違いを見事に乗り越えて二宮シェフが再現した
150年前の西洋料理は滋味に溢れ、少しも古さを感じない美味でした。

河鍋暁斎をはじめとした明治の偉人たちを喜ばせた料理と
同じものをいただいたと思うと、非常に感慨深いものがありました。

★河鍋暁斎についてもっと詳しいことを知りたい方は、
下記 「河鍋暁斎記念美術館」サイトへ行ってみてください。
展覧会をはじめとした様々な情報が掲載されてます!
http://kyosai-museum.jp/

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